鳥取県鳥取市・坂谷神社 古代への鍵となる神々の庭 2021.12.01 坂谷神社〒689-0111 鳥取県鳥取市福部町栗谷389 JR西日本・山陰本線 福部駅から徒歩約25分 鳥取コナン空港から国道9号経由で約25分 ご祭神大山祇神(オオヤマツミノカミ) 日本、〒689-0111 鳥取県鳥取市福部町栗谷 江戸時代から古代文字のひとつ、豊国文字が刻まれているのではないかと言われていたという坂谷神社。 栗谷遺跡の一部にある磐座群が坂谷神社と呼ばれ、本殿とされている巨岩の下に鎮座する小さな社には大山祇神が祀られている。入り口からここまで急な石段ではあるが20分程度で登れる。 空港や市内の賑やかな方から来ると、左側に駐車できるスペースと右側に東屋がある。その周辺には説明書きだけでなく駅方面への看板なども立っているが、方角が怪しいのでどの方向に行けばいいかわかりにくい。磐座群を訪れるなら東屋が見えたら向かって左側の木陰の先を探すと、木の陰に苔むした石段がある。右側には採石場の跡があって巨石は豊富だが、祭祀の匂いはしない。 歩いていくととんでもない数、とんでもない大きさの岩たちに圧倒される。現在では本殿とされる社周辺だけが整備されているが、無理やり周辺の斜面を登ってみると同じような大きさの石や古い磐座群でよく見られるような、間の空間が三角形になるように置かれた(のか自然の状態なのか)形状の岩がいくつかあった。 この日は曇りだったのだが、写真を撮っていると一箇所ピンク色の光が映りこんだ場所があったのでどうにか下から回りこんでみると、その岩も中の空間が三角形になっている岩だった。栗谷遺跡は縄文期の遺跡なので、おそらくその時代から祭祀を行う場所で、時代が下って北辰信仰の磐座として使われていたのだろう。 多くの磐座を訪れてみて思うのは、どこに行ってもごつごつした岩のイメージとは違う柔らかなエネルギーの場だということだ。磐長姫は縄文を、木花咲耶姫は弥生を表すのではないかという説があるが、雄雄しい岩という男性性と柔らかな女性性のエネルギーを持っていた彼女は一人で完全であり、夫という他者を必要としなかったのかもしれないと思う。古代祭祀では卑弥呼の例を挙げるまでもなく、主体は女性だったのだ。古代エジプトでもファラオを承認し導くのはその妻の役割だったものが、戦いと力の時代になって変化してしまっていたのが大和以降の日本、アブラハム以降の世界だ。 男性性にも女性性にも偏らず、ふたつの相反する要素を統合して完全な一になるために、私たちが今混沌のさなかにいるのだとしたら…。為政者たちにも陰謀論者にも与せず、頭と体と感情を使って自分自身の判断力を取り戻すことが必要なのではないだろうか。そのためのヒントが残されているのは、この坂谷神社のような磐座など古代の神が遊ぶ場所、すべての要素が対等に在る場所なのではないかと思う。 Post Share Hatena RSS feedly 磐座|中国・四国 北辰信仰, 坂谷神社, 大山祇神, 栗谷遺跡, 磐座, 縄文, 鳥取県 和歌山県かつらぎ町・丹生都比売神社 朱の女神と空海 山形県鶴岡市・湯殿山神社 即身仏と蘇りの地 関連記事一覧 島根県出雲市・猪目洞窟 黄泉の穴と呼ばれた縄文人の住処 2022.05.05 徳島県美馬郡つるぎ町・天磐戸神社 天岩戸の大元を探す 2023.09.12 高知県室戸市・空海修行の地御厨人窟/神明窟 2021.10.17 徳島県美馬市・石尾神社 ソロモンに至る鍵 2021.11.06 光線とイニシエーション(上) アリス・ベイリー PR 島根県出雲市・韓竈神社 まさに素戔嗚尊の磐座 2021.12.11