鵜戸神宮

宮崎県日南市・鵜戸神宮 浦島太郎伝説の洞窟

鵜戸神宮

〒887-0101 宮崎県日南市宮浦3232
      宮崎市内から国道220号線で約60分
      宮崎ICから国道220号線で約50分
      JR日南線伊比井駅または油津駅からバス20分
      宮交シティバス停/宮崎空港バス停から60~70分
      ※バスを使う場合はどちらも鵜戸神宮バス停から徒歩10分

ご祭神

日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)
大日孁貴(オオヒルメノムチ=天照大御神)
天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)
彦火瓊々杵尊(ヒコホノニニギノミコト)
彦火々出見尊(ヒコホホデミノミコト)
神日本磐余彦尊(カムヤマトイワレヒコノミコト=神武天皇)

日本、〒887-0101 宮崎県日南市宮浦3232

 鵜戸神宮までは、宮崎市内からであれば気持ちのいい海沿いの道を通っていくことになる。途中にはサンメッセ日南という観光施設があり、イースター島から唯一復元を許された7体のモアイ像を見ることもできる。モアイをモチーフにした数々のお土産も楽しく、個人的におすすめの場所だ。

 鵜戸神宮の祭神は日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと=山幸彦)と龍神の娘として知られる豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を両親とする神だ。豊玉姫が産屋を建てた洞窟に鎮座する神社で、かつては修験道の道場-当初は天台宗、のち真言宗が管掌した。明治の神仏分離令によってそれまで別当寺院だった仁王護国寺や周辺の寺坊はなくなったが、江戸時代までは修験道式の修法が用いられていたという。  修験の寺社、とりわけ天台宗系のところは楽しい…と言っては語弊があるかもしれないが、山を登る間にも仏像や奇岩を祀っていたりしていて、苦しさの合間合間でも気持ちが上がるような作りになっていることが多いように思う。鵜戸神宮も元々は天台宗系だったからか、極彩色の社殿に降りていく長い階段や金剛界37尊を表した神橋(玉橋)、千鳥橋以外にも多くの見どころがある。

お乳岩案内板
鵜戸神宮洞窟から
鵜戸神宮本殿
鵜戸神宮パノラマ

 豊玉姫が海神宮からやってくるときに乗っていた亀が石になったと言われる亀石は背中部分に四角い穴があり、枡形石とも呼ばれる。この穴に向かって男性は左手、女性は右手で「運玉」と呼ばれる素焼きの玉を投げ入れることができれば願いが叶うと言われている。実際に見ると写真で見るよりかなりの距離があって、振りかぶって思い切り投げ入れた一つだけが穴に入った。  おちち岩と呼ばれる岩は、少し離れて斜め下から見上げるようにすると女性の胸のように見える。豊玉姫が妹の玉依姫に息子である鸕鷀草葺不合尊を託してこの地を去るとき、わが子のために乳房を残したとされる岩だ。この岩から滴る水はお乳水と呼ばれ、おちちあめの原料となっている。おちちあめをいただいてみたところ、香料などもおそらく使われていない素朴な飴だった。

鵜戸神宮洞窟から
鵜戸神宮洞窟出口付近
参道にいる豊玉姫
本殿
亀石(枡形石)
山窟前の嚴岩

 洞窟内には本殿のほかに皇子神社・住吉神社・九柱神社がある。洞窟外にも楼門近くの海とは逆側に鵜戸稲荷神社があり、そこからさらに奥に進んでいくと波切不動(波切神社)がある。この波切不動は本殿のある洞窟と裏表の関係にあるのではないかと思う。表側は極彩色の鮮やかなイメージが強い鵜戸神社だが、波切不動はそれとは正反対でむしろ少し怖い雰囲気…死の匂いがする場所だ。私たちが行ったときには、先に歩いていた人たちが怖くて無理だと言って引き返していった。そこに行くまでの道もほぼ整備されていないような場所があり、公式の境内図でも説明はあるものの場所がはっきりと示されていない。多くの人に来てほしいわけではないかもしれないが、鵜戸神宮は洞窟の裏表両方で陰陽のバランスを取っているのではないかと感じた。  宮崎には「鵜戸」はこの鵜戸神宮と日向市・大御神社奥の海岸に鵜戸神社(竜宮)があり、どちらも魅力的だ。

鵜戸稲荷神社
鵜戸稲荷神社
鵜戸稲荷参道
波切不動
波切不動から
波切不動から