東京都渋谷区・鳩森八幡神社　将棋聖地の富士塚

　鳩森八幡神社は散歩がてら原宿駅から歩いても20分ほど、現在の将棋会館の斜め前という都心エリアにある。コンパクトな敷地ながら四つの社と将棋堂、そして東京では珍しくなった、いつでも参拝できる富士塚がある神社だ。千駄ヶ谷駅からの道には将棋をモチーフにした羽海野チカさんの漫画『三月のライオン』のキャラクターが描かれたマンホールやおいしいスイーツの店などもあり、楽しく歩くことができる。

　将棋堂は日本将棋連盟の会長だった大山康晴十五世名人が大きな将棋駒を奉納、それを収めるために連盟と神社が協力して建てたものだそうだ。1メートル以上だというその大駒の後ろには八幡神が祀られ、毎年1月5日の祈願祭の日にだけ扉が開けられるという。祈願祭の日はプロ棋士たちも参加し、その後将棋連盟の特別対局室で指し初め式を行うという流れになっている。

　もう一つの特徴である富士塚は奥に進んだところにあり、写真で見るより大きく感じた。木花咲邪姫命を祀る冨士浅間神社に参拝して登頂することに。

　自然石を積んだ登山道の途中には身祿様が安置されている洞窟、烏帽子岩、釈迦の割れ石などがあり、山頂の奥宮まで楽しみながら登ることができる。東京で同じようにいつでも登れる、品川神社の富士塚と比較するとより自然な雰囲気の富士塚だ。