山形県鶴岡市・龍澤山 善宝寺

山形県鶴岡市・龍澤山善寶寺 人面魚が泳ぐ龍の住処

龍澤山 善寶寺

〒997-1117 山形県鶴岡市下川関根100
JR羽越本線・鶴岡駅から国道50号経由、車で約20分
加茂水族館から車で約12分

ご本尊

薬師如来

そのほか
子安地蔵尊・満州親子地蔵尊
弥勒菩薩像
釈迦如来 ・阿閦如来・阿弥陀如来 ・宝勝如来・大日如来を祀る五重塔
531体の羅漢像を祀る五百羅漢堂
龍神を祀る龍王殿
龍宮龍道大龍王・戒道大龍女を祀る奥の院・龍神堂 など

日本、〒997-1117 山形県鶴岡市下川関根100

 出羽三山があまりにも有名な鶴岡市だが、さまざまなクラゲの飼育に成功したことで有名な加茂水族館やあつみ・湯野浜・湯田川などの温泉、映画撮影用のオープンセットを回るテーマパークなどもあり、幅広い年齢の人たちが楽しめるエリアだと思う。今回記事にした善宝寺も、1990年に人の顔をした鯉…人面魚がいるということで連日ワイドショーを賑わせ、多くの人の足を運ばせた場所だ。

 平安時代に創建された龍華寺が改名して現在の名前になり、天台宗から曹洞宗へと変わっているが、山形ではある宗派から違う宗派に変わるのはままあったことのようで、かつては神社ではなく寺だった羽黒山も真言宗から天台宗に変わり、明治の廃仏毀釈によって神社となっている。この大らかさは一神教の二元性…身内は救うがそれ以外には厳しい態度で臨むというものとは正反対の在り方で、望む者、欲するものにはできる限り与えましょうというのがこういったエリアで祀られている神仏の特徴となっているように思う。「人の神」は祀られた形になるのだということは、日本各地の寺社仏閣、磐座や神奈備など古代祭祀の跡に行くと実感できるはずだ。

善宝寺 入ってすぐ
善宝寺 総門
善宝寺 五重塔
善宝寺 五百羅漢堂
善宝寺 五百羅漢堂

 総門、山門を抜けて急な石段を登っていくと、その先に龍王殿や稲荷堂、秋葉堂がある。龍王殿には善寳寺龍道大龍王、戒道大龍女の二龍神が祀られており、竜宮城を模して作られたという。滝登りをすることで龍に変化するという鯉や波しぶきなどが彫られた権現造りの伽藍はとても美しく、いろいろな角度で写真を撮ってしまった。

善宝寺 龍王殿
善宝寺 龍王殿
善宝寺 龍王殿

 龍王殿の左手に回ると秋葉堂があり、そこから長峰道三十三観音霊場の巡礼路を抜けると貝喰池に到着する。貝喰池へは善宝寺の入口から右側に回りこんでも行くことができるが、個人的にはぜひこの巡礼路を歩いてほしい。修験の山ほど厳しくはないものの、日常では味わえない感覚を比較的安全に体験することができるのではないかと思う。歩いているうちに先が見えない山道で観音様たちが励ましてくれるような気がしてきて、池が見えたときの嬉しさは一入だ。

長峰道三十三観音霊場の巡礼路
長峰道三十三観音霊場の巡礼路
長峰道三十三観音霊場の巡礼路
長峰道三十三観音霊場の巡礼路
長峰道三十三観音霊場の巡礼路
人面魚についての看板

 龍宮龍道大龍王、戒道大龍女が寺号を授けて身を隠したとされる貝喰池の奥に、その二龍神を祀った龍神堂がある。ちなみに貝喰池には鯉だけでなく亀や鯰もたくさん住んでいる。龍神堂には彼らのえさも売られていたので、私たちは両手いっぱいに袋を持ってあまり人がいなかった池の住民たちに挨拶をさせてもらった。人面魚は五匹いるらしいが、イケ人面魚に夢中になりすぎてほかの子たちは探し忘れてしまった。

 龍神堂の右側には「お水取りひろば」という看板があり、その裏に奥の院がある。日本庭園のような考え方で設計されているのか、まさに龍が降りていて本当に気持ちのいいエネルギーが降りているのでぜひ忘れずに行ってみてほしい。

奥の院へ
奥の院
奥の院

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