御厨人窟

高知県室戸市・空海修行の地御厨人窟/神明窟

御厨人窟・神明窟

〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町4030
      南国ICから、車で約120分
      阿佐海岸鉄道・阿佐東線 甲浦駅からバスで約50分
      土佐くろしお鉄道・奈半利駅からバスで約60分

入洞時間

8:00~17:00 ※ただし季節や天候によって時間の変更・入洞を中止の場合あり
       入洞の際はヘルメット着用

ご祭神

大国主命(御厨人窟 五所神社)
大日孁貴(神明窟 神明宮)

日本、〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町

 高知方面からは国道55号をひたすら南下する。地図では海沿いのように見えるがかなり室戸岬に近づくまで海は見えないので、海が見えてきたときのやった!感がすごい。

 途中キラメッセ室戸・田野駅屋・大山などの道の駅があり、地元の食材や土産物などを販売している。

 空海がまだ佐伯真魚だった青年期に虚空蔵求聞持法を修め、その景色から空海と名乗るようになったという御厨人窟と神明窟。御厨人窟は居住スペース、神明窟が修行の場所とされ、実際に神明窟の奥には瞑想にはうってつけのサイズの穴がいくつかある。

御厨人窟・神明窟全景

 落石の危険があるため御厨人窟・神明窟ともに入洞禁止となっていたが、2019年に解除された。現在は金網を張った仮設通路が設置されていて、入洞の際は納経所で借りられるヘルメットの着用が求められる。写真は御厨人窟・神明窟の手前にある柵と両窟の全景。かなり大きな磐座だということがわかる。

 中に入ると社があり、入り口から差し込む光に照らされているが、雨の日や夕方だと少し視界が悪いかもしれない。住居として使っていたとされる御厨人窟は比較的ゆったりとしていて、社の後ろにも平らなスペースが広がっている。

御厨人窟・神明神社立て札
入口から社方向
御厨人窟 五所神社

 神明窟の方が少し小さめだが、社の後ろや横にちょうど座って瞑想できるようなスペースがある。奥側のスペースに入ると、人が腰かけるとぴったりはまり込むサイズの窪みが二つあった。お互いの窪みは向かい合うようになっていて、ここに座ると”自分の反対側=外側”に向き合えるのだと思う。少し手前にずれて神明窟の正面を向き外を見ようとすると、ちょうど顔の部分だけを岩が遮って何も見ることができない。ここで私たちは、自分の外側は内へと反射していることを知ることができるだろう。私たちは「外側を見ようとしても何も見ることができない」のだ。

神明窟・神明宮立て札
神明窟
神明窟
神明窟から

 空海の時代は洞窟の手前すぐまで海が広がっていて、波の音も風の音も今よりもっと大きく響いていただろう。その時代から1300年以上を経た今、ここで静けさの音を聞き、内側の世界を観て、空海の感じたことの欠片を拾いたいと思う。

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