甲山大師神呪寺・仁王門

兵庫県西宮市・甲山大師神呪寺 すべてを受容する寺

甲山大師神呪寺

〒662-0001  兵庫県西宮市甲山町25-1
       阪神西宮駅からバスで30分、甲山大師前下車

ご本尊

如意輪観音

そのほか

聖観音立像
不動明王坐像
弘法大師坐像 などが重要文化財として指定されている。

宗派

真言宗御室派

日本、〒662-0001 兵庫県西宮市甲山町25−1

 神呪寺は出家した第四妃・真名井御前(如意尼)のために淳和天皇の勅願によって開かれた真言宗の寺である。修行から戻るよう天皇に求められた真名井御前は、空海の伝法灌頂を受けて阿闍梨となり神呪寺に住み続けた。空海と如意尼の間には恋愛関係があったのではないかとも言われている。

 六甲山付近は瀬織津姫を祀った場所が多く残されているが、真名井御前という瀬織津と同一視される名前を持った女性の寺はひたすら受容する…しかも喜んですべてを受け入れるといったエネルギーが広がっている。如意尼となった彼女の場は、ありとあらゆる種類の塚で溢れている。

神呪寺 本堂への石段
神呪寺 花塚全景
神呪寺 魚鳥塚
神呪寺 花塚
神呪寺 茶筅塚
神呪寺 盲杖塚

 世界の全てを愛した無邪気な女性と、それを愛した空海という人間の包容力が感じられる暖かな寺だ。空海の手によるとされる仏像は日本各地に多々あるが、重要文化財になっている神呪寺の如意輪観音に関しては本当に空海が魂を込めて彫ったのだろうと感じさせられる。同行者が本堂周りを歩いていて「これは…イチャイチャを見せられているような…」と冗談を言ったが、ここにあるのは肉体を持った人間同士の確かな信頼関係とお互いへの敬意である。

 本堂から降りた右側には鎮守として弁財天が祀られているが、これも瀬織津姫(六甲山エリアでは撞賢木厳魂天疎向津姫)のことだ。真名井御前は丹後国の出身で、丹後の一宮である籠神社の奥宮は真名井神社…真名井とは、水に対しての最高位の敬称である。

神呪寺・弁財天の太鼓橋

 本堂の裏手には昭和55年に建立された多宝塔と甲山稲荷大明神の社がある。

神呪寺 全景
神呪寺 多宝塔
甲山稲荷大明神

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